緊縛の罠 

どちらかといえば?女性向け 官能小説 

罠に落ち60歳近い年上の老人のオモチャ少女

読んでくださった皆様へ

ありがとうございました。

最初はドSな、もっとハードプレイも考えていたんですが、なぜかアマアマに。

SMファンの方はがっかりされたことと思います。

スピンオフで、ドS編を書きましょうか?(笑)

完全に女性向けのお話になってしまいました。

(一応 サブタイトルに入れたけど・・)

私はジャンルを問わない雑文書きです。

感想など、またリクエストなど頂けたら嬉しいです。

ここはこうしてほしかった・・とか。

よろしくお願いいたします。

解説入れますと、厳密にはこれはSMではなくて、島津にとってSMは手段で一番は芸術なんですね。なので、島津も沙耶もSM嗜好が強いわけではないんです。

たまたま、出会いのきっかけで。

島津は、また新しい分野に芸術を見出すでしょうし、というネタバレするともっと皆さま、がっかりされるかも・・

読んでくださってありがとうございました。        

ファンタジー

沙耶は、毎日を島津に世話されて過ごした。

毎日の消毒は痛かったが、島津のほうが痛そうな顔をするので我慢できた。

「先生、絵は?」

ああ・・

島津が照れたように言った。

「実は出来上がってたんだ。沙耶の顔を見たくてね、言い出せなかった・・悪い・・」

「まあ・・!」

沙耶には言葉が出なかった。

少しづつ回復する沙耶を島津は急かさなかった。

フラシュバックも何度かあったが、いつも島津は優しい。

今日照れたように、書類を差し出した。

1枚は夫との離婚届。

沙耶は、目を見開いて島津を見た。

「僕は魔法使いなんだ。なんだってできる。あのド畜生から沙耶を自由にすることもね」

確かにそうかもしれない。芸出系の賞を総なめしている以上にノーベル文化賞まで取っている。

しかも、本人曰く税金対策らしいがノーベル平和賞もとっているのだ。

「沙耶がサインすれば別れられるんだよ もちろん僕はそう望むけど沙耶の自由だ」

自由・・

ずっとずっと沙耶になかったもの。

島津はそれを私にくれるという。

涙があふれおちた。

沙耶は迷わずサインした。

さらに照れたように、もう1枚の書類を出す。

それは島津との婚姻届けだった。

「せっかく、自由を得た沙耶には早すぎるかと思ったんだが・・沙耶を一人じめしたい・・」

それが島津の本心と沙耶にはわかる。

沙耶は、その婚姻届けにもサインをした。

うれしそうに島津が沙耶をそっと抱きしめる。

「絶対、幸せにするよ。約束する」

それが架空の約束であっても沙耶は嬉しかった。

「本当はね、ずっと・・目をはなしたら沙耶が自殺しないか心配だったんだ・・これはお守りだね。沙耶は義理固いから、相手をおいて自殺しないだろう?」

沙耶の、そこまでの気持ちを汲み取ってくれていた・・

それだけでもうれしい。

(たまには現代にファンタジーがあったっていいさ。沙耶と僕で証明しよう)

二人が仲睦ましく、最後まで生きたことは言うまでもない。

 

END

 

愛情

沙耶が、目をあけたとき島津は沙耶の顔を一心に見つめていた。

「先生・・・?」

沙耶は一筋の涙を流した。

「どうした?沙耶、痛いのか?」

「いえ・・最後に先生の顔を見たかったから・・」

「最後に? 沙耶、何を言ってる?」

聞きながら答えはわかっている気はした。

島津は画家として有名だが、そのためには心理学・哲学・ETCあらゆる分野の天才だった。

ヨーロッパでは「ミケランジェロの再来」とも呼ばれている・・

島津は沙耶が生きる気力を無くしていることを察した。

「沙耶 僕は沙耶を愛している。沙耶、僕を置いていかないでくれ 頼む」

島津の頬にも涙が流れていた

沙耶はびっくりしたように

「先生・・?」

「将司だ。将司と呼んでほしい」

「?せ、先生 ?」

「先生じゃない、将司だ。島津将司だ。沙耶を愛しているただの男だ」

「・・・?」

沙耶が戸惑うのも無理はない。

いくらでも時間をかけよう。

沙耶のためなら・・

「眠りなさい、沙耶には休養が必要だ」

優しく優しく、島津が言う。

その言葉に導かれるように、沙耶はもう一度眠りにおちていった。

 

 

 

癒しのアトリエ

沙耶はアトリエにつくなり倒れこんだ

これ以上、立っていられない

痛めつけられた体が悲鳴を上げている

「沙耶!!」

島津が沙耶を床に倒れる前に抱きとめた

「どうした!?」

抱き上げて、前のベッドに連れて行く。

服を脱がし、一目で様子を理解した。

「すぐ来てくれ」どうやら医者を呼んでいる様子。

それから、島津が消毒液でそっと血の出ている部分を拭いていく。

ウゥウッゥ

その行為すら辛くて悲鳴をあげる。医者は5分とかからず到着した。

「素人拷問だ、ひどいもんだ・・・」

島津の荒々しい声。

医者のほうは冷静に沙耶を診察し、手当てをしていく。

ウゥ・・ヒィ

手当そのものも辛い

島津のほうが動転している様子だ

「麻酔してやってくれ・・聞いていられない・・」

以前、沙耶の鳴き声を楽しんだ島津の台詞と思えない

医者も、納得して「全身麻酔したほうがらくでしょうな」

と沙耶を眠りにつかせた。

それから、うとうとと・・

沙耶は眠りに落ちて行きながら

突然、「嫌あああああああ!!!!」体を痙攣させる。

「フラッシュバックでしょう」

医者の冷静な言葉。

島津が沙耶を抱きしめた。

その行為は、沙耶には苦痛かもしれないけれども

「沙耶 沙耶 僕がここにいる 大丈夫だ 大丈夫だから!!」

沙耶が、わかったのかわからなかったのか・・麻酔の効果か・・静まった

「島津くんが取り乱すのは初めて見るねえ」

医者は、老練で島津をちゃかす

「先生!」

島津は、唸るしかなかった

「君の大事な女性なのかね?」

「そうです」

島津の答えはきっぱりしていた。

「幸い、手術なども必要なさそうだし・・当分、痛みに苦しむだろうが・・ちゃんと治るよ」

医者の言葉にほっとした島津。

「それより、これだけ酷い目にあったというのは・・精神的に少し心配だな・・」

それは島津とて考えないことではない。

「僕がそばについています」

きっぱりとした断言。

「島津くんからそんな言葉が聞ける日が来るとはねえ」

医者は少しうれしそうだった。

「幸い、出血の割には酷い傷はない・・・とはいえ敏感な個所を責められたのだから痛みはかなりあるだろう。毎日、消毒と塗り薬と・・ああ、君は秘薬を持っていたな・・

とりあえず今日の分の飲み薬を置いていくが・・点滴のほうが良いな 麻酔しているし・・残りの薬は取りにくるように・・それから・・」

医者は言葉を切った。

「PTSDになる可能性があるが・・?」

「かまいません。僕が一生、沙耶を守ります」

医者はその言葉に満足したようだった。

「島津のやんちゃ坊も少しは大人になったかな」

眠り続ける沙耶・・

地獄踊り

沙耶の醜態は、大評判を呼んだようだ。

あちこちから招待状が届き、

夜だけでなく 朝から、昼から、夜から

と予約満杯の状態になっていた。

沙耶に拒否権はない。

迎えに来られたボディーガードと称する男たちにつれていかれ

泣き叫び痴態をさらし、

SM拷問ショーの主役をやらされていた。

島津には「夫の用事で」と休む連絡をしたものの

沙耶は身も心もボロボロだった。

自殺したい・・

(島津先生・・最後に会いたい・・)

夫は、このショーでずいぶん出世するらしい。

沙耶はこれほど自分を惨めに感じたことがなかった。

おさないころから、ただ、両親、夫に従ってきた結果がこれだ。

私は間違っていたのだ・・

痛む体をベッドに横たえ、自分で痛み止めを飲んだがまったくきかない。

涙がとまらない・・

明日はようやくの休暇だ。

アトリエに行ける・・

明日を最後に自殺しよう・・

沙耶はそう思い定めた・・

 

訪問

夫は沙耶に昨日の下着をつけているかどうかチェックし「行くぞ」と一言。

おとなしくハイヤーに乗り込む沙耶。

ついて驚いた。

たくさんの車。今日は宴会だったのか・・

夫に続き沙耶は広間に案内された。

既に先についた者から酒席が始まっている。

「今日は特別な趣向だとか?」

「いやあ、楽しみですなあ」

会話に不安を感じる。

そこへ夫が声をかけた。

「沙耶 着物を脱いでこちらの方の指示に従うように」

え?

この20数人は集まっているここで着物を脱ぐ!?

「早くしろ」と夫。

「失礼します」

ボーイのお仕着せの男が二人、沙耶にさっと寄った。

あっという間に例の下着姿にされる。

「おおーー!!」

赤ら顔の男たちが喜んだ。

そういえばここには女性は沙耶しかいない。

「その下着もセクシーだが、裸が見たいね」

「そうですな」

沙耶をまったく無視した会話

「〇〇さんご自慢の奥方ですからなあ」

沙耶はすぐに下着も取られた。

そのうえ、戦慄したのは・・

ボーイたちが沙耶のピアスにひもを縛っていることだ。

両手首を縛られ、酒席の真ん中の天井のフックへ吊るされる・・

かろうじて足に指が床についている程度だ。

(イヤ イヤ イヤ 助けて 島津先生・・)

(何故、島津の名前が出てきたのかはわからない)

紐の先には「右乳首」「左乳首」とどこの紐かわかるよう札がついている。

5本の紐を各男たちが1本づつもっている。

(怖い・・おびえている様子が余計に嗜虐心を煽るとも知らずに)

沙耶は今日、酒席のオモチャとして連れてこられたことを悟った。

「始めるぞ」

一斉に男たちがあちこちの方向から紐をひっぱった。

乳首をひっぱられれば、そちらによろけ クリストスをひっぱられれば鳴くしかない

あぁぁあぁーーーーーっ!

ひぃぃぃーーーっ

痛い痛い痛いぃぃーー

紐を持つ男たちは次々と交代して笑いあった

「おどってるぞ」

「いいぞ もっと踊れー」

沙耶は屈辱に泣いた

最後は意識を失ったようだ

気づくと自室のベッドに寝かされていた・・

生活の変化

ピアス事件以来、また会話のなかった沙耶夫婦だが、夕食後いきなり夫から声をかけられた。

「沙耶、明日は〇〇代議士の夕食に呼ばれているから、お前も一緒にくるように」

「かしこまりました」

政治家の妻として夫婦同伴の招待は珍しいことではない。

「それから今日は部屋へ来なさい あれからピアスもみてないことだしね」

「は、はい・・」

沙耶はおびえた。

嫌悪感がはしる。あれ以来、夫とは二度と嫌だと思っていたのだ・・

が、沙耶に断る権利はない

いつものように沙耶は夫の部屋を訪問した。

夫はナイトキャップをたしなんでいたようだ。

「脱ぎなさい 沙耶」

言われて、従う(沙耶のなかに初めて反抗心が芽生えた どうして 私が?)

夫はじろじろと沙耶を見た。

「美しいな・・特にピアスが・・ベッドに横になって足を開け 良く見えるようにな」

沙耶は、うつむきながら従った。

夫が丹念に乳首 ラビア クリストスのピアスをチェックしている

「いいぞ 立て」

言われて今度は立ち上がる。

(私は・・? 沙耶のなかでうずく葛藤)

夫は数種類の下着を用意していた。

「順番に来てみろ」

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「黒がいいな 明日はその下着を着ていけ」

沙耶は一瞬、押し黙った。

夫が自分より上の大臣に・・「妻を差し出す」可能性は結婚時に言われていた。

これはそういう意味にしか取れない・・

(私は・・?)

呆然とした沙耶はそのまま、夫の欲望を黙って受け止め「下がれ」という言葉とともに自室へ戻った