緊縛の罠 

どちらかといえば?女性向け 官能小説 

罠に落ち60歳近い年上の老人のオモチャ少女

ピアス

沙耶は、倒れこむようにアトリエについた。

痛みで気が遠くなりそうだ。

まともに歩くのさえ、大変だったのだから。

島津はすぐ沙耶の様子に気づいた。

「沙耶?」

「とにかくソファに座りなさい」

珍しく、いつものからかうような口調ではない。

「何があった?」

聞きながら沙耶の服を脱がせる。

全部、脱がせて裸体にさせ、苦い顔をして言った。「これか・・」

「ダイヤモンドのピアス・・似合ってはいるが・・」

口調は苦々し気だ。

「素人はこれだから・・」

島津は奥へ行き、ホテルのローブのようなものを持ってきた。

厚地でやわらかそうなそれを沙耶にはおらせ、

「今日、よくここまでこれたね。

これでは・・休んでも責めなかったのに・・

歩くのも辛いだろう・・」

初めて島津から優しい言葉を聞いた気がする・・

沙耶が、それでも痛みをこらえて半分放心状態でいるのをかまわず島津は抱き上げた。

小さな小部屋。

ここは、まだ入ったことがない。

「ここは僕の休憩室でね、徹夜した際などに使ってるんだ。簡易ベッドで悪いが」

確かに小さなサイズのベッドだが、ベッドそのものはマットレスの状態から、かなり高級なものだった。

島津は沙耶をそこに横たえ、ローブを半分脱がし、じっくりと5か所のピアスを観察している。

「まったく雑なやり方だな。まだ、血も止まっていない・・」

島津は怒っているようだった。

「沙耶、これは特殊なフックピアスと言って輪の金具を合わせて留め金をはめるようになってる。外れないためにね。でも、このままでは、化膿する可能性もあるし、いったんピアスを全部外すよ。ご主人がいるからもう一度付け直さなければいけないが、その時は今より楽なようにつけてあげるから・・」

外してもらえるのは嬉しいが、また付け直す?

沙耶の不安をみとったのだろう。

「心配しないで 沙耶」

島津は少し考えこむように部屋を出ていった。

電話をしているらしい声が聞こえる。

戻ってきて島津は言った。

「今、沙耶のご主人に連絡を取った。路上で倒れている沙耶を保護した。今、病院だと」

夫は理解がはやい。沙耶の倒れた理由も状況も判断したんだろう。

「1週間の入院と言っておいたよ。僕も沙耶のご主人と同じぐらい地位も名声も権力も財力もある。敵に回す気はなかったようだね。」

さて・・

「どうせ消毒もせずにつけたのだろう?」

島津はてきぱきと、「これはスプレー式の麻酔だ。少しはマシになるから。」そういってそのスプレーを沙耶にかけ、「外すよ 少し痛むが・・」

ウゥウッゥ

沙耶はうめいた。

島津はてきぱきと5か所すべてを外し、消毒したうえで、例の軟膏を持ってきた。

触れるか触れないかの繊細さで薬を塗っていく。

それから、沙耶のローブを閉じた。

「眠ったほうが良い 昨夜は寝てないんだろう?」

島津が何をしているかは呆然と天井を見ている沙耶にはわからかった。

島津は点滴の用意をしていた。

慣れた手つきで、まるで看護士のように「少しちくっとするよ」

駆血帯を器用に使い、沙耶の腕に針を刺しテープで止める。

「これは痛み止めと、抗生物質、化膿止め、それと軽い睡眠剤ブドウ糖

「眠りなさい」

島津は沙耶の頬をそっと撫でて、部屋を暗くし出て行った。