地獄踊り
沙耶の醜態は、大評判を呼んだようだ。
あちこちから招待状が届き、
夜だけでなく 朝から、昼から、夜から
と予約満杯の状態になっていた。
沙耶に拒否権はない。
迎えに来られたボディーガードと称する男たちにつれていかれ
泣き叫び痴態をさらし、
SM拷問ショーの主役をやらされていた。
島津には「夫の用事で」と休む連絡をしたものの
沙耶は身も心もボロボロだった。
自殺したい・・
(島津先生・・最後に会いたい・・)
夫は、このショーでずいぶん出世するらしい。
沙耶はこれほど自分を惨めに感じたことがなかった。
おさないころから、ただ、両親、夫に従ってきた結果がこれだ。
私は間違っていたのだ・・
痛む体をベッドに横たえ、自分で痛み止めを飲んだがまったくきかない。
涙がとまらない・・
明日はようやくの休暇だ。
アトリエに行ける・・
明日を最後に自殺しよう・・
沙耶はそう思い定めた・・