緊縛の罠 

どちらかといえば?女性向け 官能小説 

罠に落ち60歳近い年上の老人のオモチャ少女

ファンタジー

沙耶は、毎日を島津に世話されて過ごした。

毎日の消毒は痛かったが、島津のほうが痛そうな顔をするので我慢できた。

「先生、絵は?」

ああ・・

島津が照れたように言った。

「実は出来上がってたんだ。沙耶の顔を見たくてね、言い出せなかった・・悪い・・」

「まあ・・!」

沙耶には言葉が出なかった。

少しづつ回復する沙耶を島津は急かさなかった。

フラシュバックも何度かあったが、いつも島津は優しい。

今日照れたように、書類を差し出した。

1枚は夫との離婚届。

沙耶は、目を見開いて島津を見た。

「僕は魔法使いなんだ。なんだってできる。あのド畜生から沙耶を自由にすることもね」

確かにそうかもしれない。芸出系の賞を総なめしている以上にノーベル文化賞まで取っている。

しかも、本人曰く税金対策らしいがノーベル平和賞もとっているのだ。

「沙耶がサインすれば別れられるんだよ もちろん僕はそう望むけど沙耶の自由だ」

自由・・

ずっとずっと沙耶になかったもの。

島津はそれを私にくれるという。

涙があふれおちた。

沙耶は迷わずサインした。

さらに照れたように、もう1枚の書類を出す。

それは島津との婚姻届けだった。

「せっかく、自由を得た沙耶には早すぎるかと思ったんだが・・沙耶を一人じめしたい・・」

それが島津の本心と沙耶にはわかる。

沙耶は、その婚姻届けにもサインをした。

うれしそうに島津が沙耶をそっと抱きしめる。

「絶対、幸せにするよ。約束する」

それが架空の約束であっても沙耶は嬉しかった。

「本当はね、ずっと・・目をはなしたら沙耶が自殺しないか心配だったんだ・・これはお守りだね。沙耶は義理固いから、相手をおいて自殺しないだろう?」

沙耶の、そこまでの気持ちを汲み取ってくれていた・・

それだけでもうれしい。

(たまには現代にファンタジーがあったっていいさ。沙耶と僕で証明しよう)

二人が仲睦ましく、最後まで生きたことは言うまでもない。

 

END